”の検索結果
再検索

明日をHAPPYにするコトバ

【第5回】思いっきり楽しみたい! とき

人生は、たった一度きりの夏休み。
家で過ごすのもいいけれど、せっかくだから、どこまで行けるか、素敵な冒険に出かけてみない?
夏が終わるころ、日焼けした笑顔で「あー、楽しかった」って言えたら最高。


子どものころの夏休み、そこには果てしない宇宙が広がっていました。
長い長い休みに、なにをしよう。どこに行こう。だれと遊ぼう。この夏、一体、どんなことが起こるんだろうと、ワクワクしたものです。
そして、近所に秘密の基地をつくったり、親戚の家に行って新しい友だちができたり、キャンプに行って満天の星空を見上げたり、プールに通ってやっと50メートル泳げるようになったり、屋上に座って物語を考えてみたり……。ひとつひとつの遊びや出来事に、ただただ、夢中になって過ごしていましたっけ。
よく「人生は苦しい」とか「生きることは大変」とかいわれますが、誤解を恐れずに書くと、私は、〝夏休み〟のような気持ちで、与えられた時間を過ごしたいと思っているのです。
ただし、なんとなくダラダラと過ごしてしまうのは、つまらない。
毎日、冒険するようなワクワクした気持ちがなければ!
子どものころの夏休みが楽しかったのは、きっといくつかの理由があるのです。
思いっきり夏休みを楽しむコツを「子ども時代の自分」から教えてもらうと……
まずは、「自分のやりたいことをやること」。
なにかを与えられたり、人目を気にしたりするのではなく、自分の意志で「やりたい!」と思うことをただ夢中になってやるから、楽しくなるのです。
つぎに、先のことや、未知なるものなど「わからないことを楽しむこと」。
世の中のさまざまなことは「わからないから不安」ではなく、「わからないから面白い」。いつも好奇心をもっているのが、ワクワク豊かな遊びや生活の始まり。
そして、「うまくいくかどうかわからなくても、なんでもやってみること」。
冒険すること、挑戦することには、かならずリスクが伴います。うまくいくかどうかなんてわからない。痛い思いをするかもしれない。それでも、あえて飛び込んでみる人だけが、ほんとうに願いを叶え、成長していける。泣きたくなること、怒りたくなること、受け入れられないこともあってこそ、〝夏休み〟は豊かになるのです。
また、「やりたいことをやるために、やらなきゃいけないこと」もあります。
夏休みの宿題と同じように、すべてが自由なのではなく、大人も「やる必要があること」がある。やりたいことを実現するために、それをどんなふうに実行していくのかも、楽しみのひとつ。「大変だ~」と逃げ回っていたら、いつまでも追いかけてきて、もれなくどこかで大変な思いをすることになっています。
最後に、「夏休みには限りがあることを知っていること」。
子どもでも、夏の終わりを知っているからこそ、その時間を大切にしようと思うもの。生きるもののすべては、限りがあるから、今を精一杯生きようとするのでしょう。命を存分に生かそうと、「どこまで行けるのか」「なにができるのか」挑んでいく姿は、いちばん自然で美しいもののように感じます。
そして、夏が終わるころ、
「あー、楽しかった。なかなか愉快な夏休みだったんじゃない?」
そう日に焼けた笑顔で言えたら最高。一度きりのすばらしい夏は、キラキラと輝いて存在するはずです。


著者プロフィール

有川真由美(ありかわ・まゆみ)

作家・写真家。鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程卒業。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。40カ国を旅し、旅エッセイやドキュメンタリーも手がける。
[有川真由美ブログ]Daily Journey

この著者の本