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性格リフォームカウンセラー 心屋仁之助の「心のお手入れ法」教えます!

第6回 “荷物”は少なく、身軽にいこう!

 良寛という江戸時代のお坊さんの言葉に、
「雨に降られるときは雨に降られるがよし」
というものがあります。

たとえば、あなたのパソコンには、セキュリティーはどれくらい入っていますか。
セキュリティーを入れておかないとウイルスに感染するかも、いつか困ることになるかも、と考えて怖くなってしまうでしょうか。
僕は、自分のパソコンには過剰なセキュリティーを入れていません。
保険も最低限です。
いつも「困ったそのときに考える」ことを意識しています。

“起こるかどうかわからない不安なこと”を一人で勝手に想像しては、それがもし本当に起こったらどうしよう……と考えて悩んでしまうことって、ありますよね。
けれど、そんな心の迷路に入りこむと、肝心の「今」「目の前のこと」が、どこかへ逃げて行ってしまいます。

実は、“備えモード”に入ると、その人が恐れていること──トラブル、不安、心配事が現実にやってくることを、まるで“期待している”かのような状態になります。
「くるぞ、くるぞ……」と身構えるあまり、体も心もこわばってしまう。
そうやって備えすぎるほど、その“きてほしくないもの”を引き寄せてしまうのです。

生命保険のセールスでは、
「この保険に入っておくと安心ですよ。これから先の人生、こんな予期せぬ事態が起こるかも知れませんよ、あんな恐ろしいことが待っているかもしれませんよ」
と不安感を煽るひともいます。だから、つい加入してしまいます。
保険金を払っておいて、実際には何も起こらなければ「よかったですね~」ということになるのは当然です。
けれど、保険金を支払うたびに、自分の中で“起こってほしくないこと”をずっとイメージし続けることになるのです。

もう一つ、あなたのカバンの中には、どれぐらい荷物が入っているでしょうか。
財布、携帯電話ぐらいならまだしも、「何かあったときのために」と持ち歩く何本ものペン、絆創膏、ソーイングセット、常備薬………本当に必要なのでしょうか。
余計な荷物を持ち歩いていると、重くて肩はこるし、腰も痛くなって、疲れがたまりやすくなります。
カバンの中身は減らしていきましょう。いらない保険をかけるのはやめましょう。
荷物はなるべく少なくして、身軽にいきませんか。

「備えあれば憂いなし」は、ある意味、大嘘です。
どんなに備えをしていても、憂いは“くるときにはくる”のです。
だから、心も体も、いつも身軽に生きて、心配しすぎないように。
そして、何か困ったこと、不都合なことは、やってきた“そのとき”に考えましょう。

「問題は、起こってから考えよう」

著者プロフィール

心屋仁之助(こころや・じんのすけ)

心理カウンセラー。兵庫県生まれ。
大手企業の管理職として働いていたが、家族に起こった事件がきっかけとなり心理療法を学び始める。
それが原点となり、「自分の性格を変えることで問題を解決する」という「性格リフォーム」心理カウンセラーとして活動。
現在は京都を拠点として、全国各地でセミナー活動やカウンセリングスクールを運営。
その独自の「言ってみる」カウンセリングスタイルは、たったの数分で心が楽になり、現実まで変わると大評判。
発行しているメールマガジン「たった一言! あなたの性格は変えられる!」は3万人を超える読者に支持され、公式ブログ「心が 風に、なる」は月間350万アクセスの人気ブログ。

『「心が凹んだとき」に読む本』『心屋仁之助の今ある「悩み」をズバリ解決します!』『心屋仁之助のあなたは「このため」に生まれてきた!』『心屋仁之助の心配しすぎなくてもだいじょうぶ』(以上、三笠書房《王様文庫》)、『「人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本」(中経出版)をはじめ、著書多数。